PGM(白金類)市場見通し【JOGMECレポート速報】
JOGMECがPGM(白金類)市場の見通しのレポートを公開していましたので、簡単にご紹介したいと思います。
1.白金(プラチナ)の動向
・2018年からプラチナ価格は下落しており、世界の生産量は2017年比で1%減少。一方で主要生産国の一つである南アフリカの生産量は2%増加した。
・プラチナのリサイクル量は増加傾向。
・プラチナの主要用途である装飾品とディーゼル用触媒の需要は減少傾向。ガラス製造等の産業用途は増加しているが、全体としては2017年比で1.5%減少。
・2019年の装飾用、触媒用プラチナ需要は低調の見込みである一方、投資用プラチナ需要は増えており特にETFによる売り買いが増えている。
・プラチナの需給バランスは供給過剰が緩和される見込み。
2.パラジウムの動向
・パラジウムの2018年の一次生産量は2017年比1.6%減少だが、2019年は増加に転じる見込み。
・リサイクルによる2018年の生産量は2017年比5.3%の増加であり、2019年も引き続き増加見込み。
・排気ガス触媒用需要が増加したが、価格高騰により産業用触媒需要は減少。総需要は横ばい。2019年は微増の見込み。
・2018年の需給バランスは供給不足であったが、2019年は緩和される見込み。
・排ガス用触媒の代替材料の開発は3年程度を要することから、価格が高騰してもすぐには代替品には置き換わらない。
3.総論
・白金価格は引き続き低迷し、パラジウム価格は堅調に推移の見込み。
・白金需要の拡大と、パラジウム代替のために排ガス用触媒を白金に置き換える開発が進む可能性があり、2024年までに最大20%が白金に置き換わる可能性がある。
4.雑感
パラジウムの記事で、価格高騰が進めば代替材料が開発されると予想しましたが、どうやら実際そのようです。また、ETFによる金属への投資が増えているというのが興味深いですね、誰が購入しているのかを調べてみるのも面白いかもしれません。GSGやDBCといった総合コモディティETFは白金を採用していないので、個別で購入しているものと考えられます。
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