金への投資を考える~その2~レバレッジETFの導入検討
金への投資第2回目です。今回は、前回に引き続きまして金の購入を検討していきます。
最初にお伝えしておきますと、金レバレッジETFであるUGLを購入してしまいました。
metal-resources.hatenablog.com
( 前回の記事です)
1.金ETFおさらい
候補とする金ETFは現物金を購入するGLD、レバレッジ2倍のUGL、レバレッジ3倍のUGLDの3つとします。他にも金ETFはありますが、経費率や出来高の違いが主となるため、割愛します。
GLD :経費率:0.4%、日次標準偏差 0.71%、年間リターン1.50%
UGL :経費率:0.9%、日次標準偏差 1.42%、年間リターン-1.62%
UGLD :経費率:1.35%、日次標準偏差 2.13%、年間リターン-4.58%
いずれも2016年4月からの値です。この数年間金の価格は低調でしたが、最近急激に金が値上がりしています。
2.金ETFのシミュレーション
理論上、リターンと標準偏差及び経費率が分かればその商品によって得られる期待値が計算できます。今回は、金価格の1971年6月からの金の平均リターン7.62%及び過去3年の日次標準偏差を元に、金ETFの年間期待値を計算してみました。1971年6月を起点としている理由ですが、ニクソンショック直前からのリターンとするためです。
今回使用した計算ですが、ソフトはエクセルを使用しており、1日あたりの値動きをNorminv関数を用いて計算しています。試行回数は2000回、年間取引日数は250日を想定しています。現物金ETFであるGLDのシミュレーション結果は以下の結果となりました。
平均値 +6.67%
中央値 +5.27%
年次標準偏差 18.21%
まともに計算されるのか不安でしたが、一応ですが年間利回りは設定した年間リターンに近い値に収束しています。また、年次標準偏差も過去3年間の平均値との大幅乖離はありません。乱数発生が非常に不安でなりませんが、数値の上ではだいたい合っている気がします。
次に、UGLとUGLDを含めた計算結果をグラフにします。ただし、レバレッジが適正に反映されるのは日次リターンであるため、GLDの1日あたりの変動率を2倍または3倍した結果を示します。
GLDに対する標準偏差がUGLは約2倍、UGLDが約3倍となり、おおよそレバレッジ効果が反映された結果となりました。また、平均値についても得られる期待リターンがおおよそレバレッジに応じた値です。一方で中央値については大きな変動は無く、GLDの中央値1.053に対してUGL、ULGDの中央値はそれぞれ1.073と1.065です。このあと合計2万回ほど試行しましたが、平均値はGDL<UGL<UGLDである一方で中央値はGLD<UGLD≦UGLとなる傾向がありました。
想定する年間平均期待リターンが7.62%は少々高すぎるかもしれませんので、年間平均リターン3%で同様の計算を行いました。
年間リターンが3%の場合だとレバレッジETFは現物に比べてややデメリットが目立ちます。しかしながら、実は私は期待リターンに関わらずに金ETFはレバレッジで買った方がよいと考えています。理由としては金ETFの手数料の高さにあります。例として、金とS&P500にそれぞれ3万ドル購入する場合の手数料を比較しました。レバレッジ3倍ETFを買い付ける場合は1/3の1万ドルを購入しています。
S&P500に投資する場合、VOOとレバレッジETFであるSPXLでは手数料の差分は86ドルとなります。一方で金ETFの場合だとGLDとUGLDの手数料の差分はわずか15ドルです。また、残った2万ドルでVOO等に投資することもできるため、実質的にはより大きいリターンを得られる可能性が高いと考えられます。
3.UGL購入
以上の期待リターンと経費率をそれぞれ試算した結果、金レバレッジ2倍ETFである「UGL」を購入しました。レバレッジ3倍であるUGLDと迷いましたが、机上の理論だけを基にしてハイリスク資産を買うことに躊躇したのと、中央値で見た場合UGLとUGLDでほとんど差が無いことから日和ってUGLを買いました。
5月に少量購入したのですが、買った途端に金価格が上昇しはじめて大幅なプラスリターンを得られています。もっと買っておくかUGLDにすればよかった…
結言
・UGL買っちゃいました
ちなみに、今回の計算を行ったエクセルのデータは約50MBになりました。改良の余地があるので、改善しながら有効活用したいと思います。