レアメタル投資入門

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【GLDM】SPDRゴールド・ミニシェアーズ・トラスト【期待の新人】

  寒い日が続きますが体調お変わりないでしょうか。私は年明け早々体調を崩して声が出なくなりました。 

 本日は金ETFとして最近登場したGLDM(SPDR ゴールド・ミニシェアーズ・トラスト)について考察していきたいと思います。設定日は2018年6月、SBI証券で取り扱いが始まったのは昨年10月という、ルーキーETFとなります。

 

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1.GLDMとは?

 GLDM(SPDR ゴールド・ミニシェアーズ・トラスト)はステートストリート社(以下SSGA)が運用する金(現物)ETFです。最も有名な金ETFであるGLDを小口化したもので、GLDの約1/10の価格です。また、経費率が安いことでも知られています。

 

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ベンチマーク:LBMA金価格

設定日:2018年6月25日

純資産:約11億ドル

経費率:0.18%

基準価額:15.49ドル(2020/1/10)

52週最高値:15.74ドル

52週最安値:12.65ドル

Avg. Volume:約110万

 

2.GLDM vs GLD

GLDMと競合ETFであるGLDを比較したのが表1です。

表1. GLDM/GLD比較

ティッカー

運用会社

現在価格($)
(‘20/1/10)
経費率
Total
Assets
($MM)
Volume

GLDM

SSGA

15.57
0.18%
1,155.8
1,101,245

GLD

146.91
0.40%
43,677.0
7,051,417

  同じSSGA社で同じ資産を運用するETFですが、一口価格と経費率で差別化…というよりも、GLDMが明らかに優遇されています。実際に、旧来の金ETFからGLDMに資産が流入しているという情報もあります。それを裏付けるかのように、GLDMは総資産額でGLDに40倍もの差がついている一方で、出来高は6倍程度に留まっています。

 実はGLDM以外にも低コストな金ETFアメリカで次々と登場しており、経費率0.17%のETFも登場しております。例として、日本では(多分)売られていませんが、アバディーン社の金ETF【SGOL】もコストが0.39%から0.17%に値下げされており、S&P500連動ETFのようなコスト競争が起こりつつあると言ってもいいかもしれません。 

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3.GLDM購入検討

 では、金ETFを買うにあたって、GLDMが最適解である…と結論づけるのも早急です。GLDMは経費率が非常に低い優秀なETFですが、売買手数料はGLDと同じレートで生じてしまいます。それなら尚更安いGLDMでいいのではと思うかも知れませんが、実はGLDは東証にも重複上場しています。証券コードは【1326】です。外国株口座でETFを買うより、日本株口座で売買する方が手数料が圧倒的に安いです。GLDと1326は同じETFであるため、東証でも同じ価格で買えます。(為替レート含めて明確な価格差が生じていないことは計算しました)。表2に1326(GLD)、GLDM、ついでに純金積立による金運用におけるコストをまとめました。

表2 金運用コスト比較 

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 前提条件として、為替手数料と金の値上がりによる経費率上昇は加味しておりません。面倒くさいので。また、ネット証券各社で国内ETFの売買手数料が無料となったため、1326の売買コストは0としています。以上の条件で比較した結果、運用年数4.5年以内だと1326が有利、4.5年を越すとGLDMが有利であるという結果となりました。

 この4.5年という年数は絶妙なところで、長期で運用すると5年単位での保有を想定しますが、一方で株価暴落等に伴う大幅リバランスは平均5年以内くらいに行うでしょうから(暴落10年周期とすると)、GLDMにしたほうがよい…とは一概には言い切れません。とはいえ、どちらか片方しか保有してはいけない決まりなど全くありませんから、例えば金の保有比率を7.5%と設計しているのならGLDMを4%、1326(GLD)を3.5%などと適宜配分して、リバランスでは1326の方を売買して手数料を抑えつつトータルコストを削減するということを行うとよいと思います。

 私も金ETFのメインはUGLですが、1326を少額買付し、ポートフォリオの調整を行っています。 

4.楽天証券お使いの方へ

 3項で長々と講釈垂れましたが、実は楽天証券における海外ETF買付手数料無料化対象にGLDMが含まれています。 

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 上の比較表を基に計算したところ、楽天証券でGLDMを購入する場合、2年強で元が取れる計算になります(なお、為替手数料を考慮していないので実際のところはプラス1年くらい見ておいてください) 

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5.まとめ

・GLDMは最も優秀な金ETFである。

・長期保有をするのならGLDMが優秀であるが、短期間で売買する可能性があるのなら東証版GLDの1326も併用すべき。

楽天証券ユーザーはGLDM購入のモチベーションがより強い。 

6.雑記

 非常に優秀かつ総資産額を伸ばしているGLDMですが、あまり話題になっていないのが不思議です。金を持つべきかの議論は尽きませんが、長期保有するのならGLDよりもGLDMがよいと思います。なお、トラッキングエラーがやや大きい傾向がありますが、設定日より1年程経ったころから改善傾向が見られました。

 なお、1326以外にも東証には金ETFが上場していますが、1326を推しているのは、Portfolio VisualizerやPortfolio Checker等の外部ツールで海外ETFと見なして評価設計ができる…という理由があるからです。

 

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