レアメタル投資入門

貴金属ETFを組み込んだ最適なポートフォリオを作ろう!という目的ではじめましたが、最近はイロモノETFの紹介サイトになりつつあります。

【国内需要と】金属への投資その1~銅~中編【銅価格】

 昨日に続きまして、銅ETF(1693)について検討していきます。

 銅ETFが指標としている指数を調べる前に、銅相場と国内需要の推移について調べてみました。

 

昨日の記事

metal-resources.hatenablog.com

 

 

 銅のLME価格推移

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ETF(円)-LME銅価格(千円/トン)

 

 銅ETFとLME銅価格のチャートをグラフで比較してみました。数値処理するまでもなく、見た目からして乖離が激しいですね…特に2015年から2016年にかけて、銅ETFが大幅に下落している一方、LME銅価格は横ばいです。なお、LME銅価格は日本円に換算しています。

 

銅の国内需要の推移

表.国内電線・伸銅品の分野別需要動向

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JOGMEC 鉱物資源マテリアルフロー2017より
 
 次に、国内の銅分野別需要を分析していきます。
 JOGMECで各種金属の需給、輸出入について詳細にまとめているデータがあるため引用いたします。今後も当ブログではJOGMECの資料を多用することになると思います。
 

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 さて、詳細な製品別需要のみでは全体がわかりにくいため、2010年比の電線需要、伸銅需要と合計の比をグラフ化してみました。伸銅需要が12年から13年にかけて落ち込んでいる一方、電線需要が伸びていますね。合計すると、国内需要は横ばい~やや減少といったところでしょう。JOGMECのデータが2016年までのものなのですが、データ元の日本電線工業会の出荷実績によると、2017年度は前年比1%増とのことです。
 
 データを見る限りでは、国内の銅の需要は増加傾向ではない、と言えそうです。 
 銅ETFは国際的な指数を採用しているため、国内需要を反映しているわけではありませんが、供給も含めて参考になることもあるかもしれません。
 
[文献]
JOGMEC 鉱物資源マテリアルフロー2017 1.銅(Cu)
一般社団法人日本電線工業会 12.20プレスリリース
The World Bank Commodity Markets Monthly Prices(Jan. 2019)