【PDBC】インベスコ・オプティマム・イールド・ディバーシファイド・コモディティ・ストラテジー No K-1【総合コモディティアクティブETF】
今回は総合コモディティETFのトリを飾りますInvesco Optimum Yield Diversified Commodity Strategy No K-1 ETF(通称PDBC)についてご紹介します。PDBCは先日紹介した総合コモディティETFであるDBCの亜種にあたりますが、運用方針に色々と違いがあり、非常に面白い商品です。
metal-resources.hatenablog.com
どうでもいいけど、PDBCの正式名称めっちゃ長いよ!
・Invesco DBオプティマム・イールド・ディバーシファイド・コモディティ・ストラテジーETF(PDBC)とは
PDBCはDB(Deutche Bank)の公表するベンチマークDBIQ Optimum Yield Diversified Commodity Indexを上回るように設計した運用を行うファンドです。つまり、ETFでありながらインデックスに連動するパッシブファンドではなく、アクティブファンドに分類されます。
ベンチマーク:アクティブファンド
純資産:約19.2億ドル
経費率:0.60%
取引所:NYSE Arca
52週最高値:19.48米ドル
52週最安値:14.84米ドル
PDBCはDBCと同様に14種類の商品を投資対象としていますが、インデックス連動ではないためアクティブファンドに分類されます。先程から「アクティブファンドに分類される」という言い回しをしていますが、これはPDBCがイメージにあるようなアクティブファンドには該当しないためです。PDBCはDBCの連動先となるDBIQを参照して構成されていますが、インデックスに連動をさせていないため定義上はアクティブファンドに分類されています。
・PDBC vs DBC
PDBCとDBCの商品構成について、比較表を掲載します。
構成はほとんど同一で、間違い探しのレベルの差しかありません。信託手数料はPDBCの方が安く、DBCの経費率は0.89%もあるのに対して、PDBCの経費率は0.60%と、インデックス投信よりもアクティブ投信の方が安いという奇妙なことになっています。また、両者は商品構成こそほぼ同一なものの、DBCは純粋な商品先物のみで構成されている一方で、PDBCはスワップ取引を多用しており、3月16日時点で構成の約71%がトータル・リターン・スワップとなっています。構成されているトータル・リターン・スワップの名称については公開されていますが、その内情についてはうかがい知ることはできませんでした。
PDBC設立以来の総合コモディティETF同士の相関係数と標準偏差を比較表にしてみました。DBCの紹介記事において、総合コモディティETFは原油依存性が高すぎることを指摘ましたが、PDBCは総合コモディティETFとしては最も原油依存性が低いです。
一方で、PDBCとDBCのパフォーマンスを比較してみると、わずかですがPDBCがDBCを下回っています。経費率ではPDBCの方が安いことから、理論上はPDBCのパフォーマンスが勝るはずなのですが、現状ではDBCにアンダーパフォームしています。しかし、設立が2014年と新しいETFであることと、(準)アクティブファンドという性質から、長期的にはPDBCのパフォーマンスが改善する可能性は十分にあると思います。事実として、一時的にはPDBCのパフォーマンスがDBCを上回っている時期も存在します。
以上より、PDBCは商品構成に不明瞭な点こそあるものの、総合コモディティETFとして優秀なDBCを更に改良した、期待の持てる総合コモディティETFであると思います。私が総合コモディティETFを買うとしたら、DBCよりPDBCを選ぶ可能性が高いです。唯一残念な点としては、現在のところはSBIやマネックスといった大手ネット証券での取扱はされておらず、サクソバンクのみで購入が可能です。
・結言
1.PDBCはDBCとほぼ同一の商品比率で構成されたアクティブETF
2.名目上はアクティブETFだが、実際はパッシブファンドの値動きに近い。経費率はパッシブファンドであるDBCよりも安い
3.石油への依存度はDBCよりもやや低い
4.総合コモディティETFとしては、DBC以上の可能性を秘めている(かもしれない)
5.PDBCを購入できるのはサクソバンク証券だけ
・おまけ
DBCが用いているインデックスの名前は「DBIQ Optimum Yield Diversified Commodity」です。PDBCの正式名称は「Invesco Optimum Yield Diversified Commodity Strategy No K-1」なので、PDBCは連動していないインデックスの名前を自身につけていることになります。あー、ややこし。(そもそも、DBの名前を入れていいのだろうか、そこが知りたい)
以下、過去の記事です。
metal-resources.hatenablog.com総合コモディティETF紹介その2
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